小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

算数授業をパターン化する~導入「方向性を示す」~

 3年生「小数」の授業。

 授業の初め、おもむろに「どちらが大きい」とめあてを書く。

 そして、「1」と「10」を書く。そこで、「どちらが大きい?」と問う。すぐに「10」と答えが返ってくる。すかさず「どうして?」と問い返す。「だって、10は十の位まであって、1は1の位だから」等と返ってくる。

 次に、「35」と「32」を書く。そこで、再び「どちらが大きい?」と問う。すぐに「35」と答えが返ってくる。すかさず再び「どうして?」と問い返す。「だって、十の位は同じ数だけど、一の位の数を比べると5と2だと5の方が大きいから」等と返ってくる。

 この時に、子ども達から発せられる「だって…」「十の位は…」等の言葉を板書し、価値づける。そうすることで、この後の授業の展開でも使うことができる。

 ここまでするとだいたいの子どもが、本時の学習の内容を理解することができる。この後、本時の学習内容である「小数の大小を考える」ということに進む。

 つまり、導入で「問い」を持たせるというよりは「方向を示す」という趣である。

 方向を示す時には、どの子でも理解できそうな簡単な数字を使うことが多い。だから、どの子でも授業の導入に参加しやすい。学習を苦手とする子は、この導入ですでに参加できていないことが多い。まずここで参加率を上げるということは重要なことであるだろう。