僕は協同学習を教室に持ち込んでいる。例えば、「雪だま転がし」「クイズでチェック」「ジグソー」。技法の詳しい説明は『協同学習でどの子も輝く学級をつくる』 を参照してください。
だから、「協同学習」には大きな興味を持っている。そこで、協同学習の第一人者である杉江修治先生の本を手に取った。
明治図書から出版の本らしく、協同学習の入門書として、協同学習初心者を読者としてつくられている。よって、少し実践している者にとって、すでに知っている内容も多い。だけど、入門書、初心者向けということでかなり丁寧につくられている。
協同学習とアクティブ・ラーニングの関係や、協同学習の考え方、授業の考え方、教師の立ち位置、課題・まとめについて等、本当に丁寧に書かれている。「考え方」と「技法」、「理論」と「実践」、教師の立ち位置、課題・まとめについて等、本当に丁寧に書かれている。
協同学習の本を読んでみると、どうしても「技法」をたくさん紹介、というものが多い。また、読んでいる方も「技法」に目が行きがちでもある。でも、理解しておきたいことは、やはり「理論」である。理論を理解していないと上滑りの実践に陥ってしまいがちになる。
杉江先生の論述を少しになるが引用する。
クラスのみんながみんなの応援団だと、子どもたちが思い合える学級経営が協同学習の基盤です。実践をそのようにとらえるところから協同学習ははじまります。協同学習ではグループの話し合いを多く活用はしますが、グループの話し合いをさせること自体が協同学習ではないのです。クラス一体となって学び合い高め合う姿が協同学習なのです。
これを読んで、協同学習には技法があるけど、それよりも考え方なのだな、と感じた。この部分を読み、発見できたことだけでかなりの価値がある、とも感じた。
学習指導要領全面実施も目の前に控えている。そこで、アクティブ・ラーニングを意識した取り組みを始めている方も多くいるだろう。もちろん、それは間違いではない。だけど、「理論」を理解しようとすることは大切にしたい。そんな思いを抱くきっかけにもなる一冊であった。