小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

チーム教師⑱「やりたい症候群」

 先に「手前味噌ですが」と、前置きをしておきます(笑)。多くの教師は、真面目で責任感が強い。だから、任せられたことはきちんとやり遂げようとする。これは決して悪いことではない。いや、多くの教師のこの勤勉さが、現在の学校教育を動かしていると言っても過言ではない。

 もちろん、この勤勉さが仇となってしまっていることだってある。現在問題となっている長時間労働なんて、この勤勉さが拍車をかけているものだ。そして、この勤勉さが行き過ぎると、どんなことも何が何でも自分がやらないといけない、と思い込んでしまうようになる。そのことを僕は、「やりたい症候群」と呼んでいる。

 「やりたい症候群」にかかっている人は、何でも自分でやろうとする。別にやらなくていいことでも、自分でやろうとする。これ自体は、悪いことではない。好きでやっているなら、止めることでもない。

 だけど、これは調子のよい時の話である。人生山あり谷ありである。いろんなことが起こる。調子の悪い時だって必ずやって来る。その時にでも「やりたい症候群」にかかっている人は、自分で何とかしようとする。

 でも、それって正直に言ってしんどい。こういう時は、周りに助けを求めるのが賢明である。にも関わらず、「やりたい症候群」にかかっている人は、それをしない。もうどうしても首が回らない所まで来ると、さすがに助けを求める。そして、助けてもらう。だけど、「やりたい症候群」にかかっている人は、往々にしてやってもらったものに納得できない。つまり、自分と同じやり方や同じクオリティーでないと嫌なのである。だからこそ、「やりたい症候群」をさらに強固なものにしてしまう。

 ここまで読んでもらうと、僕が「やりたい症候群」と呼んでいる現象を理解してもらえたでしょうか。自分自身はどうでしょうか? 僕はこの「やりたい症候群」が蔓延しているからこそ、学校現場でチームになれない様相が広がっているように感じている。