小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

モデリングの危険性

 このブログの記事でも述べているが、今年度は算数専科をしている。だから、複数の学級に入り、算数の授業を行っている。その学級にはそれぞれ担任がいる。もちろん、僕よりも若い担任もいる。まあ、それはほとんどか(苦笑)。

 算数の授業は、T1でしすることもあれば、T2をすることもある。T1でするとなると、当然担任は僕の授業を見ることになる。大したことはできていないが、見られることで緊張感も出るし、自分にとって学びのチャンスにもなる。僕は、できるだけ授業をした放課後に、「今日の授業どうでしたか?」と聞くことにしている。なぜなら、授業に対してのフィードバックがほしいからである。それとチームになるためでもある。チームになるためという考えは、「チーム教師」と題し、いくつか記事を書いているので是非とも読んでみてください。
 話を戻そう。最近、T2をしていて気づいたことがある。それは、僕の授業のスタイルが真似られているということ。率直に聞いてみた。「僕の真似をしてくれてる?」と。そうすると、「わかります? 子どもたちにもU-Tchallenge先生の真似してる、って言われました(笑)」と返ってきた。「そうなんだ、真似したいところあればもちろん真似してくれていいからねー」と、答えて話を終えた。
 真似してくれるなんて思ってもなかったので、何だか照れくさかった。嬉しい気持ちはあるが、その反面心配もある。それは、「どうして僕の真似をするのか、ということを考えているか」ということ。
 算数の授業の中で僕がしていることには、もちろん僕なりの意図がある。もっと簡単に言うと、僕なりにそれを行っている意味を考えている、ということ。だから、僕の真似をするということは、その先生なりの意図を持っていないといけない。まあ、これを考えなくても追試は可能である。しかし、もしかすると真似たこととその先生の普段の取り組みや大切にしていることと齟齬があるかもしれない。そうなると、回り回って自分の首を絞めかねない。
 ここまで考えているかな、と心配になる。偉そうなこと言っているが、僕だって何かを取り入れようとすると、そんなこと置いといて、とりあえずやってしまっている。そうやってポイ捨てした取り組みは多くある。今は、取り入れながら、または取り入れる前に「どうしてこのことを取り入れるのか」ということを自分なりに考えている。少し面倒に思われるかもしれないが、この過程を経ているか、経ていないかが取り組みの効果に影響する。
 真似されて考えることがあった。まさに、人の振り見て我が振り直せ、である。そして、「どうして真似しようと思ったのか」ということを、またその先生と話してみよう。そうすることで、その先生なりの意図が生まれるかな。