小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

本気に触発される

 北海道の堀裕嗣先生の新刊が出版された。刊行予定が告知された時から、とても楽しみにしていた。今回は道徳がテーマ。書名は『堀 裕嗣の道徳授業づくり 道徳授業で「深い学び」を創る』である。また、本のカバーには「子どもたちに伝わる“本気”の道徳授業づくりとは。」とも書かれている。

 堀先生は、前書きで以下のように前置きされている。

本書は道徳授業づくりの在り方に困っているという教師たちにHOW TOを提示する構成にはなっていないと思う。できるだけそうした書き方をとは心がけたつもりではあるが、限界を感じざるを得なかった。

  一読してもらうとわかるのだが、確かにHOW TOはあまり提示されていない。いや、決して全く提示されていない、というわけではない。「授業は〈後ろ〉からつくる」「授業は『方向づけ』を必要とする」というような、明日からの授業で取り入れられそうなものもある。

 しかし、堀先生が今回提案されたいことは、このHOW TOではない。本気で道徳授業を創るということは、こういうことじゃないでしょうか、ということこそが提案されたいことである。

 そこで、堀先生は「道徳授業を〈敬愛する人〉でつくる」「シンクロ道徳」」を提案されている。どのような授業なのかという具体的なことは、是非本を手に取り、読んで確認してもらいたい。読んで感じたことは、“本気”というのはこういうことなのか、ということである。自分は“本気”で道徳授業を創っていなかったな、と痛感した。

 では、これを追試してみよう、とはならない。提案されているのは、あくまで堀先生が思いを持って創った授業である。僕が真似しようとしても真似できない。真似をしたところで上滑りした授業になってしまうだけだ。

 だから、自分の思いを込められる授業を創らないといけない。そのヒントは本書に示されている。手始めに、自分が〈敬愛する人〉のリストを作ってみた。全ては難しいかもしれないけど、自分なりに「これは!」と思う人で授業を創ってみることにする。果たしてどのような授業になるだろうか。

 本書で示されている“本気”に是非とも触れてもらいたい。そうすると、きっとその“本気”に触発されることだろう。