小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

いつか来るのだろうな~

今週のお題「理想の老後」

 

 理想の老後を語れという、今回のお題。いや~、さすがに老後なんて考えたことがない。全然、現実味がない。考えたことがない、というのは言い過ぎかな。楽しく老後は過ごしたいな、ということを考えたことはあった。まあ、何とも漠然としたものではあるが。

 人生百年時代と言われている現在、老後が何十年も続くということも考えられる。だから、老後のことは早いうちから考えておかないといけないのかな。そういう思いもありながら、そんな今から老後のことを考えながら生きていくのは、正直面倒だな、と思ってもいる(苦笑)。

 でも、人生百年時代の最後の何十年が、寝たきりや孤独感を覚えながら暮らすというのだったら、嫌だな。だけど、そういうことも受け入れながら生きていくのが老後なのかな。

 このようなことを、社会学者の上野千鶴子は以下のように述べている。

齢を重ねる、とは弱いを重ねる、ということ。加齢とは、昨日できたことが今日できなくなり、今日できたことが明日できなくなる、という経験。超高齢化社会とは、どんな強者でも強者のままでは死ねない。弱者になっていく社会であること。すなわち、誰もが身体的・精神的・知的な意味で、中途障害者になる社会だと。脳梗塞で半身マヒの後遺障害が残れば、車椅子生活にもなるし、言語障害も残る。認知症になれば、一種の知的障害と言っていいし、レビー小体型の認知症なら幻覚・妄想などの精神障害も起きる。

上野千鶴子(2016)「障害と高齢の狭間から」現代思想、第44巻第19号、p22

 齢を重ね、弱いを重ねる。昨日できたことが今日できなくなり、今日できたことが明日できなくなる、という経験を積む。これはまぎれもない現実なのだろう。なかなか受け入れられないのだろうな。

 でも、このような状態になった時に、僕は何を思い、何を考えるのだろうか? 全く想像つかない。そう思うと、少し楽しみになってくる(笑)。自分では想像つかない自分になっていくということが。

 こうだな、理想の老後は。自分では想像つかない自分になっていくということを楽しむ。そしてそれについて無常を感じる。そんな老後を僕は過ごしたい。