小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

チームづくり、はじめの一歩に

  以前の書評で『宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。』を取り上げた。

kyousituchallenge.hatenablog.jp

  その姉妹本とも呼べるのが、今回紹介する『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいくチームの話』である。タイトルからわかるように、本書のテーマは「チームづくり」である。

 今回も『宇宙兄弟』の一コマから「チームづくり」のヒントになりそうな場面を紹介してくれている。『宇宙兄弟』ファンの人にとってはたまらないし、『宇宙兄弟』ファンではない人にとってはわかりやすいものになっている。

 前回の「リーダーシップ」よりも、今回の方がより実践向けの内容となっているように感じた。チームづくりの条件が提示されていたり、章末にタイプ別チェックリストもついている。さらに、チームの発達段階を「タックマンモデル」をベースで考え、それに沿いながらその時に考えるべきことが書かれている。

 僕が本書を読んで一番考えた記述を紹介する。

チームが成長する機会を特に大きく妨げていたのが、「自分はチームに恵まれていない」という思い込みでした。

ではその解決策として、チームを牽引してくれる優秀な人材を集めればよいのかというと、そう単純な問題ではなく、ましてや現実的でもありません。

大切なのは「今いる仲間と一緒に、うまくやるにはどうするか」ということです。

  どうしても、僕たちは「チームづくり」の正解がどこかにある、と思い込んでしまう。これは「チームづくり」だけでなく、いろんなことにおいてもそうだ。だけど、著者はそうではない、と強く語っている。そのチームなりの正解は近くにある、ということに気づかされる。まさに「灯台下暗し」といったことである。

 このように考えると、自分の足元ではどうだろうか、と自然に考え直す。また、学校―職員室―では「タックマンモデル」の「第一ステージ」で止まっているのではないか、とも考え直してしまう。じゃあ、どうしていくとよいのか、ということも自然と考えが始まっている。

 「チームづくり」を考えている、考えてみたいという方は一読をおすすめします。

宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話

宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話