小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

大人にこそ

 『星の王子さま』、この本は「不朽の名作」と呼ぶに相応しい一冊である。今、僕が手元に置いているものも新版であり(2000年初版)、原典は1953年初版である。

 さて、本書の初めに作者は、親友にかける言葉が記されている。「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)」と。

 いつから僕たちは大人になったのだろう? 突きつめて考えると、「子どもと大人の明確な境界線はない」という結論に達する。いくら年齢を重ねても子どもの心を持っている大人はたくさんいる。もちろん、我が儘に自分の主張を繰り返すことが子どもらしい大人ではない。だけど、やっぱり大人は「はじめは子どもだった」ということを忘れがちであるな、と思う。

 他にも、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」等、かつて子どもだった大人が読みながら考えさせられるような言葉が多く記されている。

 もちろん、子どもたちに読むことを薦めてほしいが、それだけでなく大人たちやかつて読んだことのある大人たちに、この本を手に取るということを強く薦めたい。

 だって、「かんじんなことは、目に見えない」のだから。目に見えるものだけを見ようとしている大人たちにこそ手に取ってもらいたい。

星の王子さま (岩波少年文庫 (001))

星の王子さま (岩波少年文庫 (001))