小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

ニオイで自立する

 実家を出て、もう何年にもなる。実家はそう遠くないので帰ることもある。そして、泊まることだってある。その時は、頼んでもいないのに母親が衣服を洗濯してくれている。

 照れくさいから何も言わないけど、ありがたいことである。実家を出てから、やっといろいろとしてくれていたことのありがたみに気づく。

 洗濯してくれた衣服を持ち、今の家に帰る。帰ってくると「やっぱり自分の家が一番だな」なんてしみじみする。そして、衣服をしまおうとする時に違和感を覚える。「あれ、この服なんかくさくないか」と。それは洗濯してくれたのだからくさいわけないはずだ。だけど、やっぱりにおうのだ。

 どうしてだろうか、と考える。すぐに答えにたどり着く。家と実家の使っている洗剤や柔軟剤が違うということに。違うにおいだからこそ、違和感を覚えてしまうのだ。自分の家のにおいって自分では気づけない。よその家に行ったりすると、自分の家とはにおいが違うといことに気づくが。

 そんな経験を実家に行ったことでするとは夢にも思っていなかった。だって、自分が長年暮らしてきた場所なのに。でも、実家を出るということは、実家が別の家になるということなのだ、ということに初めて気づいた。言葉にすると当たり前なのですが。

 実家に行ったり、そこから帰ったりしてニオイに違和感を覚えることが自立なのだ、と思った。ニオイって自分の生活にかなり近い存在なのだ、とも思った。

「すごいニオイ」#ジェットウォッシャー「ドルツ」


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