小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

「授業研究」を真ん中におく

 定期購読している「授業づくりネットワーク」の新刊が送られてきた。ブログのタイトルにもしているように、今回のテーマは『「授業研究」を真ん中において職場をつくる!』ということ。

 このテーマというか提案に、僕は賛成する。教師になってから自分なりにずっと校内の授業研究には関わっている。もちろん、みんな関わっているのだけど、やっぱりそんなに関心が高いわけではいように感じている。

 学校の多忙が話題になり、もう何年も経つ。そんな空気の中、授業研究は真ん中にはいなくなってしまっている。現在、真ん中にあるのは何だろうか? 保護者対応、自分の学級の授業・学級経営かな。

 だけど、こういう時だからこそ、授業研究を真ん中におく必要がある。なぜなら、授業研究では全員が同じ土俵に立つことができるから。どの学年の担任でも、専科、養護教諭、管理職等の全員が。

 そのような趣旨のことを北海道の大野睦仁先生も論じている。

今の学校では、多忙感が年々増し、私たちの職場から「ストーブ談義(放課後ストーブのまわりに教員が集まり、クラスのこと、授業のことを語り合った)がなくなりました。教師自身のライフスタイルや価値観の変化から、「ノミュニケーション」(お酒を飲みながら教育の話をする)も少なくなっています。放課後、会議以外は、パソコンに向かっているか、授業の準備に追われています。それが今の職員室の雰囲気です。同僚性を高めていくためのものがなくなってきている中、その役割を担える可能性が校内研修にはあるのではないでしょうか。

 もちろん、全員が同じ土俵に上がるためには、考えないといけないこともある。何も手を打たないとすると、全員が土俵に上がることは難しい。本書を読むと、そのためのいろいろな方策や悩みを考えることができる。

 文科省が「チーム学校」というスローガンを掲げている。チームになるためには、コミュニケーションを図る必要がある。その場として授業研究を活かしていかないといけないのではないだろうか。そして、授業研究を真ん中において職場をチームになるようにしていかないといけないのではないだろうか。そんな思いを強く抱いた。

 授業研究は研究担当や管理職が考えることだ、と思っている方にこそ読んでもらいたい一冊である。

授業づくりネットワークNo.34―「授業研究」を真ん中において職場をつくる!

授業づくりネットワークNo.34―「授業研究」を真ん中において職場をつくる!

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 学事出版
  • 発売日: 2020/01/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)