小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

未来のチームを考える

 新型コロナウイルスの影響で、リモートワークやオンラインでのやり取りが盛んになっている。そんな状況になる前から、リモートワークやオンラインでのやり取りについて取り入れているのが「サイボウズ株式会社」。その中の「サイボウズ式」の編集長が著者の一冊。

 サイボウズは、かなり自由度の高い働き方を採用している。その中で、どのようにチームを作っていくのか、どのように働くのかの考えや方法論を提示してくれている。その根底にあるのは「自立」ということ。

 ここからはそれがわかる記述を引用してみる。

サイボウズ式を運営してきて思うことがあります。それはチームを考えるうえで、「そもそもあなた自身は、どんな働き方や生き方をしたいの?」と、問われる場面が多くなってきたということです。今の時代は誰にも当てはまる働き方や生き方という、たったひとつの答えはなくなりました。会社でガマンして働けば道が開けるわけではありませんし、簡単にハシゴを外されることもあります。会社に依存せず、各人が本当に手に入れたい働き方や生き方を自分で決めること、すなわち「個人の自立」が求められているのです。

これまでの昭和的な働き方は、会社への滅私奉公によって成立していました。ありていに言うと、会社に人生を捧げることで、会社が従業員の人生を保証してくれるものでした。それを担保していたのが、年功序列や終身雇用といった仕組みです。ですが、昭和的な働き方はもはや現実的ではないことを、誰もが肌感覚としてわかっています。変化が激しい現代において、ひとつの会社が自分の人生を保証してくれると考えること自体、現実的ではありません。そういった意味では、会社に寄りかかる人生は非常にリスキーで、個々人の「自立」が求められる時代になっています。

 僕を含む教師は「自立」しているとは言い難い。教師一人ひとりに裁量があり、仕事を進めている。一見すると自立しているように見える。でも、僕はそうではない、と思う。

 働き方がいまだに滅私奉公のようなところが多くあるし、「周りの教師がやっているから」という理由で行っていることも多いからだ。もちろん、これは僕の主観なのだけど。

 だから、思考停止に陥ることなく、よりよく働く、よりよいチームということを教師一人ひとりが考えないといけないのではないだろうか。そして、それを持ち寄って考える時間を作らないといけないのではないだろうか。こんなことを読みながら考えた。

 チームについて考えたい人にとっては読んで損なしの一冊である。是非手に取ってみてください。