高学年の子どもたちへの対応の難しさは今に始まった話ではありません。高学年の子どもたちへの対応を難しく感じている教師は多くいる。それは僕も含まれている。
しかし、そこで二の足を踏んでいる場合でもない。何かしらの糸口を見出したくいくつかの本を読んでみたので、紹介することとする。
①宇野弘恵『タイプ別でよくわかる! 高学年女子 困った時の指導法60』
高学年女子の指導について学びたい、と思い手を伸ばした一冊。高学年女子の指導には苦い思い出が多い。いまだに上手くいった、と感じられることは多くない。
そんな高学年女子を四つのタイプに分ける等、わかりやすく示してくれている。僕にはこんなこと思いつかない、気づかない、と思うことがたくさん。
そして、一番目にとまったことが「信頼」ということ。高学年女子を指導するには根底に信頼がないと上手くいかない。これは高学年女子だけではないだろう。
②赤坂真二『小学校高学年女子の指導―困ったときの処方箋』
宇野先生の「高学年女子」本を読んでみたので、関連づけて再読してみた。
宇野先生の考えと重なるところが多くあるように感じた。また、高学年女子の周辺にありそうな問題のあれやこれやについて具体的に述べてくれているので、高学年女子の指導について悩んでいる方はすぐに何かしらのヒントを得られるだろう。
根底には、「受容的な態度」「信じると腹を括る」「信頼感を醸成する」というのがないといけない、と理解した。
③松尾英明『お年頃の高学年に効く! こんな時とっさ!のうまい対応』
高学年への指導として適切なOK指導としてはいけないNG指導が対比されながら提示されている。だから、よりOK指導について理解しやすい構成となっている。
読んでいて高学年の指導のキーワードが自分の中に浮かび上がってきた。それが「最小限に」「預ける」「信頼する」ということ。
指導はなるべく最小限にとどめる。そして、なるべく子どもたちにいろいろなものを預ける。そこには子どもたちへの信頼がある。このような指導と言えるのではないだろうか、と考えた。
高学年の指導に悩んでいる者にとってはとても助けになる一冊である。
この三冊から導き出されたものは、高学年の子どもたちへの対応には「受容的な態度で、指導は最小限に、子どもたちに預け、信頼する」ということが大切だということ。かなり長ったらしいけども…。また、ここで導き出したものは何も高学年だけに大切なものではない。どの子に対応する時にも大切にしたいものであろう。
自分なりに新たな意味づけを確認することができて満足している。高学年と向き合いたい、と考えている方には今回紹介した三冊はかなりおすすめです!