小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

10年後の教師の仕事

 『学び合い』でおなじみの西川純先生の一冊。題名は「2030年教師の仕事はこう変わる!」である。

 2030年となると、あと10年後のことである。10年後というのは、少し遠い未来のように思われるが、そんなことを思っている内にやって来る未来でもある。また、10年後の未来のことは、現在少しずつ胎動が始まっていることもあるのではないだろうか。

  西川先生はこの本の中で、教師の仕事の変化をいくつも述べられている。その一つを引用する。

大学などでは既に起こっていることですが、公立学校が独立行政法人化し、教育公務員が非公務員になります。そして、日本全体の雇用体系と同様に、私立学校も含めて必ずしも終身雇用は保障されなくなります。つまり、教師も他の職種と同様に、自分の能力に見合った学校を渡り歩くことが求められます。

その時に大事なことは、AI(人工知能)・ロボットに置き換えられないマネジメント能力、ファシリテーション能力を持てるか、否かです。

教師の指示に従わせるという従来の指導のあり方が既に通用しなくなっているだけではなく、「教える」というこれまでの教師にとって重要であった職能だけでは、もはやAIやインターネットに置き換えられてしまうということです。

  公立学校が独立行政法人化するというのは、本当にそうなるのだろうか!? と思った。はっきりとは分からないからか、何となく不安になってしまう内容である。

 後段のAI・ロボットにやインターネットに置き換えられるというのは、そうなっていくだろうな、と思う。GIGAスクール構想により、一人一台のパソコンが配備される。きっと、そこではAIドリル等が使われることになるだろう。また、教育YouTuberと呼ばれる者の活躍もある。授業動画を誰でも視聴することができる。もしかすると、そのような動画配信により授業が進められることになるかもしれない。

 だからこそ、「教える」というこれまでの教師にとって重要であった職能よりも、マネジメント能力、ファシリテーション能力というものが求められるようになるだろう。

 10年後の未来は誰にも分からない。でも、こうなるのではないか、と予想することはできる。そして、その予想から考え、準備することはできる。是非とも、本書に目を通し、10年後の教師の仕事を考えるきっかけとしてみてはどうだろうか。

 

2030年 教師の仕事はこう変わる!

2030年 教師の仕事はこう変わる!