2013年の刊行ということで、少し古くなってきているが、それを感じさせない一冊である。
筆者の東京大学での講義を基にしているので、特別支援教育の基本的なところから歴史や事例まで網羅されている。だから、特別支援教育を学び始めた者にとっては必読の一冊である。
最後の辺りでは、今までの特別支援教育の取り組みを総括し、未来の展望に言及されている。ここでのメッセージがとても熱いものであった。その部分を引用する。
この日本という国を、「どの国よりも障害者に優しい国」「世界で一番、障害者に優しい国」にしていこうではないか。そのようなチャレンジは、「障害者だけに優しい国」ではなく、結局、「どの人も、大切にされ、学びやすくて暮らしやすい国、豊かに幸せに生きていける国」ということになるのだと思う。
この引用した部分は特別支援教育に携わる者には、是非とも知っておいてもらいたい。この部分を読むだけでも十分に価値のある一冊である。そして、ここから感じたことや考えたことを是非とも交流したい。きっと熱い気持ちでいっぱいになるだろう。
特別支援教育という挑戦に是非とも取り組んでみませんか。