特別支援学級を担任することになり、この本を持っていてよかったな、と率直に思った。
特別支援学級のことを何となくは知っている。しかし、特別支援学級担任がどのような動きをしているのかはあまり知らないのではないだろうか。そこでの動きは、あまりオープンにされてもいないように思う。
そんな特別支援学級担任の仕事の実情を細かいところまで網羅されている。また、特別支援学級担任として考えていかないといけない視点が網羅されている。それらについての具体的な方策を知ることができる内容であった。
最後の「特別支援学級ならではの仕事術」は必見である。そこだけでも、特別支援学級以外の方にも読んでもらいたいぐらいであった。そこを読めば、特別支援学級担任への理解が進むことだろう。
さらに、著者の増田ははじめに以下のように喝破している。
ひとくくりに「特別支援学級」といわれますが、その実態は多様です。特別支援学級というと、障害の特性だけがクローズアップされがちですが、子どもの学齢や学年、性別、学級の人数、お互いの人間関係などの多様性も含めて、「どのような教育活動をしていくのか」を考えていくのが特別支援学級担任の仕事です。
多様な子どもたちを目の前にして、それでもなお一人ひとりに合うような指導・支援を考え実施していく。これはかなり専門的な仕事である。そして、かなり複雑な仕事でもある。
特別支援学級担任にとっては必読の一冊に間違いないだろう。