教師をしていて一年間何もなく終えるということは、 かなり難しい。何も教師だけが特別難しいというわけではない。 どの職業であれど何かしらの難しいことはある。
何かあった時、ぽろっと「授業、上手くいかなかったです」「 子ども達との関係って難しいですね」「叱られてしまいました」 等の言葉が出てしまうことがある。 こういう弱音を吐ける職場だといいな、と思う。
この時に何と言葉をかけるだろうか。「大変ですね」「 そんなこともありますよ」等の、 励ましの言葉をかけるのではないだろうか。
いやいや、 こんな当たり障りのない言葉をかけても毒にも薬にもならないでし ょう。そんなことを思われた方もいるのではないだろうか。
だったら、「大変かもしれないけど、 あなたのやり方が善くなかったのよ」「 何かが起こるということは、 もっと考えないといけないということだ」等の、 叱咤激励の言葉をかけたらよいだろうか。
確かに何か起こるということは何かしら問題があるのだとは思う。 それを子ども・保護者の方に原因を求めるのではなく、 自分自身に原因を求める。これは正論である。 ただこの正論をひとまず括弧に入れましょう。
弱音を吐いている人は、 決して叱咤激励してほしくて弱音を吐いているわけではない。 弱音を吐いている人は、 何かしらの温かい言葉をかけてほしいものだ。 自分が弱音を吐く状況を振り返ってみたら、 それはよくわかるだろう。
そして、 自分が弱音を吐いた時に寄り添ってくれない、と思われたら、 その後弱音を吐こうとは思わなくなる。そうしていると、 本当に弱音を吐かないといけない時に、 その弱音を聞くことができなくなってしまう。
だから、いろいろと思ったとしても必ず味方になる。 そうすることで、 徐々に叱咤激励もできるようになってくるだろう。