小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

プロレスの厳しさを伝えるのは難しいんですよ。やったものにしかわからない。

プロレスの厳しさを伝えるのは難しいんですよ。やったものにしかわからない。(by前田日明)

 

 プロレスが再ブームを迎えているように感じている。かなり裾野は広がってきているように思う。だからか、あまりプロレスに対しての疑問というか否定的な言葉を聞くことも少なくなった。

 僕が耳にしていないだけで、きっとプロレスに対して疑問や否定的な考えを持っている人はいるだろう。その中で典型的なものが「どうして、ロープに振られたら返ってくるの?」「プロレスって八百長なんでしょう?」ではないだろうか。プロレスファンなら一度や二度は耳にしたことのある言葉であろう。

 このような言葉に、UWFの中心であった前田日明は辟易していたようだ。その言葉をシャットアウトするためにもUWFを設立したのかもしれない。UWFで格闘プロレスを打ち上げていくのだが、決して純プロレスを全否定していたわけではない。だからこそ、今回紹介している言葉が生まれたのだろう。

 この前田日明の言葉はどの職種にも当てはまりそうではある。もちろん、教師という仕事だってそうだ。「教師の厳しさ(難しさ)を伝えるのは難しいんですよ、やったものにしかわからない」と言い換えることができる。

 しかし、教師は他の職種とは違い、けっこうやったこのない者からの言葉を多く受ける。それは、教師という仕事は多くの者が側で見たことがあるから。多くの者は学校という場で教師という仕事を見ている。だから、想像しやすい存在なのだろう。

 身近な存在? というのは悪くないのだが、簡単なものだと思われるのには釈然としない。やったものにしかわからないことはたくさんある。側で見たからといって全てがわかることはないだろう。もちろん、それをわかりやすいものにしたり、伝えていくことは必要なことかもしれない。でも、きっと厳しさを伝えてほしい者なんていないとは思うけど。

 教育現場に向かい風は吹いても、追い風は吹かない状況である。そんな中で、この前田日明の言葉には勇気づけられる。やったものにしかわからないからこそ、この仕事に誇りを持っているのである。