小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

「かわいい!」という言葉の魔力

 女性はよく何かにつけて「かわいい!」という言葉を発する、と言われている。けっこうステレオタイプな物言いではあるが、何となく想像できるだろう。男性から「かわいい!」という言葉はあまり聞かない。ちなみに、僕はほとんど言わないのではないだろうか。考えてみると、赤ちゃん相手だったら「かわいい!」と自然に言えそうな気がする。だけど、他の場面は思い浮かばなかった。

 この「かわいい!」という言葉を、この前授業中で聞いたことがあった。

 それは図工の工作での場面。子どもたちは、教師の説明を聞いた後、思い思いに作品を作っていく。そうこうしていると、作品が仕上がってくる。そうなると、子どもたちは教師や友達に作品を見せたくなってくる。

 僕もたまたまその教室の前を通りかかったので、子どもたちに捕まることとなる(笑)。「どう?」と言い、作品を見せに来てくれる。「この色がいいね」等となるべく具体的に伝えようという意識でコメントしていく。

 そうこうしていると、女性の教師も通りかかる。そして、僕と同じように捕まり、「どう?」とコメントを求められる。その時に、その女性の教師が発したのは「かわいい!」であった。

 僕は驚いた。ここで「かわいい!」という言葉が自然に出てくることを。それと子どもたちの様子。明らかに嬉しそうであった。僕がコメントしているのを聞いているよりも。

 この「かわいい!」という言葉。具体的な感想はほとんどわからないが、聞いている分には「悪い気」はしない。それに何だか力強い。その一言で全てを物語っているかのような気がするぐらい。

 だからと言って、僕は「かわいい!」を自然と発することはできないだろう。だとしたら、「かわいい!」ではないけど、一言で伝わるパワーワードを考えてみるしかない。「すごい!」「いいね!」「素晴らしい!」…。うーん、とりあえず「いいね!」かな。もちろん、この一言の後、具体的に何がいいかを伝えないといけない、と思っている。

 でも、「かわいい!」という魔力には敵わないような気がしてならない。