小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

学級経営の必読書

 僕が学級経営を考える上で参考にしているのが、上越教育大学の赤坂真二先生の学級経営についての論考。赤坂先生は、以前から学級経営の論考を発表されてきた。

 赤坂先生の提案は、もちろん具体的な実践がある。それだけではなく、考え方も提示されている。僕としては、この考え方を知り、理解するようにしてから、学級経営が少しは上手くいくようになってきた、と感じている。

 そんな赤坂先生の新刊となる、学級経営についての一冊が発刊となった。それが『学級経営大全』である。タイトルからもわかるように、学級経営についてを中心に据えた一冊となっている。

 内容は、学級経営力アップ6つのポイントを挙げられ、それについて実践や考え方を提示されている。実践と書いたが、考え方の方が多く紙面を割いている。それだけ、赤坂先生も考え方の部分に重きを置いているのだろう。

 少しになるが、僕が読んでみて目に留まった箇所を引用してみる。

学級経営に必要なことは、まず、学級の目的地としての理想像です。どんなクラスにしたいかという教師のビジョンです。そこには、教師の様々な価値観が反映されます。次に、現在地としての実態の見取りです。今、みなさんが担任しているクラスは、理想とどれくらいギャップがあるのでしょうか。その理想と現実のギャップが見えない人は、指導ができません。指導とは、理想と現実のギャップを埋める営みを言います。そして、子どもたちを現在地から目的地へ導くための具体的な指導方法です。

  学級は教師の心象風景の現れでもある。だからこそ、よりよい学級にしていくために、教師である自分のビジョンを高めていく必要があるだろう。

教師の仕事は、子どもの成功なくして、自らの成功なしです。わが国の教育は、どちらかというと教師の視点で設計され、学ぶことよりも教えることに関心が向けられがちです。しかし、そろそろ学習内容や教授法に大きな比重をかける教育から、学習者視点に立った教育を本気になって創りあげていく必要があるのではないでしょうか。

 「教師の仕事は、子どもの成功なくして、自らの成功なしです。」という表現は短いが、力強いものである。そして、シンプルだからこそわかりやすいものでもある。

厳しいチャレンジの時代に、活力をもって生き抜くためには人を信頼しつながり協力すること、そして、それができると自覚していくことは、かなり重要な資質であり能力だと考えられます。これからの時代、他者とつながれないことは、人生のリスクであるとすら言っていいのではないでしょうか。

 このように考えるのなら、わざわざ学校で集う意味が出てくるのではないだろうか。だからこそ、学級経営を行わないといけないのではないだろうか。そして、学級経営力を高めないといけないのだ。

 

 いかがだったでしょうか。今回紹介したのは、あくまでも一部分だけである。是非手にして一読することをおすすめする。きっと学級経営力が高まることだろう。

学級経営大全 (学級経営力向上シリーズ)

学級経営大全 (学級経営力向上シリーズ)

  • 作者:赤坂 真二
  • 発売日: 2020/03/18
  • メディア: 単行本