プロレス好きで有名な有田哲平が考えるプロレスのあれこれを、読むことができる内容となっている。
一つひとつの項目がプロレスならではのものばかりで、どのようなことが書かれているかとても興味深く読み進めた。
そこで気になった記述を紹介する。
プロレスファンって、自分にウソをつきながらの人生なんですよ。相手をロープに振ったら戻ってくるのはなぜかという問題から始まり、「UWFはすげえだろ!」って言いながら、本当は「でもUWFって面白くないんだよな」と思い・・・・・・。
「相手をロープに振ったら戻ってくるのはなぜか」「プロレスは八百長なんでしょう」等々。プロレスファンは誤解と偏見にまみれた言葉を浴びせられることが常である。
そこで自分にウソをつきながらプロレスにのめり込んでいくというのは、プロレスファンあるあるではないだろうか。ウソをつきながらというとネガティブ過ぎるようにも思うので、自問自答を繰り返すというのが適当な表現になるだろうか。
それにしてもプロレスファンの在り方のようなものが見事に表現されているように思った。
他にも以下のようにプロレスについて語っていた。
本来プロレスなんて、見て面白かったどうかだけでいいはずなのに、どうしてもそれについて考えてしまう。そうさせてしまうのがプロレスの魅力ですし、とことんまで考えさせられてしまうのは、プロレスというものがものすごく奥深いからに違いありません。
もちろん僕も、これからもプロレスについて考え続けていきます。そうすることで、自分の生活、芸能界での生き方も、よりパワーアップしていくんだろうなと思うからです。
プロレスを語っているとプロレスのことを考えていると誰もが哲学者のようになっている。この言葉にとても共感できた。
僕も哲学者の一人である。どうしてプロレスに魅了されるのだろうか、どうしてプロレスについて語りたくなるのか等々。プロレスについて考えていると、どうしてもさまざまな考えが浮かび上がってくる。こんな思いができることにとても喜びを感じている。
このような思考の渦中にいられることに喜びを感じつつ、またプロレスファンでよかったなと改めて思わされる一冊であった。