小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

技を出さない「余白」は大事にしたかった。

技を出さない「余白」は大事にしたかった。(by棚橋弘至)

 現代は「高度情報化社会」と言われる。それほど、社会での出来事の展開が速く、サイクルも早くなっている。そのためか、「余白」―何もない時間―が無駄に思われている節がある。テレビでも「余白」であるCMの時間は、トイレの時間になっているぐらいである。

 そんな社会を、時間を過ごしている子どもたちにとってはテンポよく授業を展開していく方が合っているように感じている。そのように進めるのは悪くないのであるが、そうしているとどうしても子どもたちがどうしても受動的になる。子どもたちが「次はどんな物をくれるの?」と首を傾げながら聴いてくるかのように見える。 

 また、「余白」がないと、子どもたちがじっくりと考える時間がなくなる。じっくり考え、結論を導き出す子も、もちろん教室にはいるのである。

 逆説的な考えになるが、『「余白」が少なくなっているからこそ、「余白」を大事にすることが必要』ではないだろうか?

 もちろん、授業の中での「余白」は「何もしないでいる」だけではない。その時間で、「かく」活動に取り組むことが有効であると考える。「かく」ことで考えを残すことができ、考えを深めることができ、考えを振り返ることができるのである。

 「余白」は無駄な時間ではない。それを大切にする視点を持つことで、「余白」が「余計なもの」ではなく「有用なもの」になるであろう。