恥ずかしながら、初東野圭吾。手が届く距離にいくつも東野圭吾の本があるにもかかわらず、何だか読もうとしていなかった。どうしてかな? と考えてみる。ベストセラー作家の本を読むというのはベタすぎるだろう、という大した理由ではないものである(笑)。
さすがベストセラー作家、一気に読ませる、読みたくなる文章であった。だから、一気読み。また、物語のクライマックスの勢いはすごかった。
内容を詳しく説明してしまうとネタバレになってしまうので割愛。
僕としてはこの本を読んで「絆の光と影」を読み取った。
光の部分は、やはり三兄妹のつながり。このつながりがなければ、きっとこの三人は今回の事件に対峙することはできなかっただろう。あと、行成とのつながりができたのも大きかった。
影の部分も、三兄妹のつながり。三兄妹の境遇は、とても辛いものである。なかなか社会とつながりを持とう、と思えないのも理解できる。だからこそ、三兄妹のつながりがどんどん強くなっていった。そのため犯罪に手を出してしまうことになる。
以前、このブログでも書評を紹介した『ソーシャル・キャピタル』の内容とも重なる部分が大きく感じた。
kyousituchallenge.hatenablog.jp
何冊も読んでいると関係のない、と思ってる時につながることが読書の醍醐味である。
あと物語の最後は少し不満であった。ちょっときれいに終わりすぎじゃないかな。あれだけいろいろとやらかしといて、明るいトーンで終わるのはな。もちろん、三兄妹がささやかな幸せを手にするようになっていくのは嬉しいのだが。
とにもかくにも、初東野圭吾。せっかくだから、何冊か続けて読んでみようかな、と思っている。