同僚の先生と話しをしていた時に出てきた、悩みというか戸惑いについて。
その同僚の先生が、「特別活動」の授業づくりの協力者となったそうだ。だけど、その先生は長らく「国語」の授業づくりに力を入れている。だからこそ悩み、戸惑っているのだ。
その先生曰く「国語だったらこの流れだとこうするだろう、と思うのだけど、特別活動では違うのだよね」と。
ここから、ある教科・領域を深めていると教師にもその教科・領域の見方・考え方を持つことができることがわかる。
見方・考え方というのはもうすぐ全面実施される学習指導要領のキーワードの一つ。この見方・考え方について、改訂のキーマンの一人である無藤隆氏は以下のように説明している。
われわれは、頭の中に、言うなれば教科ごとスイッチを持っていて、それを押すと、その考え方になり得るわけです。それを専門家で言えば多分そうで、ここに、例えば、建築家みたいな人が入ってきて頭のスイッチを押すと「これは耐震基準、大丈夫ですね」とか、「照度OK。でも、私だったら、この辺はこうした方がオフィスとしていいと思いますよ」とか、パッて言う。それは建築家的物の見方が内蔵されているからですよね。
「国語」を深めている内に、国語の見方・考え方を持つことができるようになる。だから、他の教科・領域もその見方・考え方で考えてしまう。そうなってしまっていることに自覚的でありたい。そうでないと、他の教科・領域の見方・考え方に気づくことができないかもしれないから。
だからと言って、自分が深めている教科・領域の見方・考え方を捨てる必要はない。もしかすると、どの教科・領域でも使える見方・考え方に気づくかもしれないから。
一つの教科・領域を深め、その教科・領域の見方・考え方を持ちたい。だけど、それよりもどの教科・領域でも使えそうな汎用的な見方・考え方を探っていきたいな。