先月、「高学年と向き合う」と題し、書評を書きました。
kyousituchallenge.hatenablog.jp
今回は、その続きになります。
高学年と向き合うことを考えていく中で、キーワードなるものが浮かび上がってきた。それが「受容的な態度で、指導は最小限に、子どもたちに預け、信頼する」ということが大切だということ。つまり、信頼関係をベースにするということ。
ということで、信頼関係ということをもう少し踏み込んで考えるために二冊の本を手に取ってみた。
一つは『信頼感で子どもとつながる学級づくり』。その中で、上越教育大学の赤坂真二先生は以下のように論じている。
機能する学級をつくる出発点は、教師と子どもたちとの信頼関係です。そこからすべてが始まります。しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、教師と「子どもたちとの信頼関係」というものは、「幻想」に近いものです。
そこにあるのは、教師と子どもたち1人1人との個人的信頼関係です。信頼される教師というのは、個人的信頼関係を結ぶことに成功した教師のことを言います。
赤坂先生は、学級づくりの出発点は教師と子どもとの信頼関係である、と述べています。また、この信頼関係は、教師と子ども一人ひとりとの間にできるものである、とも述べられている。つまり、信頼関係をベースに学級経営をする必要があることがわかる。
二つは『思春期の子どもとつながる学級集団づくり』。この中で、赤坂先生は以下のように論じている。
子どもたちは、社会的にも発達的にも「弱い」存在です。「守られながら生きる」ことから人生を始めています。だから、ルールに従って生きるというよりも、人に従って生きる傾向を保ちます。自分を守ってくれるのは、決まりではなく、父や母、家族であることを学びながら大きくなるからです。つまり、「何を言うか」より「誰が言うか」を重視するのです。
そして、思春期は、認知能力の飛躍的向上から、自分自身に対する見方同様に、他者に対する見方も制度が増します。その「誰が言うか」の「誰」を見極める制度も高くなるわけです。つまり、「誰」になるかのストライクゾーンが狭くなると言えます。
一人一人との確かな信頼関係の構築が、思春期指導の成功の鉄則です。「この先生が言うんだから、仕方ないなあ」と思わるくらいにつながることがポイントになります。
ここでも信頼関係の構築の必要性が述べられている。
やはり、信頼関係をベースに学級経営をするという方向性は間違っていなさそうだ。となると、ここからの課題は、子どもたち一人ひとりとどのようにして信頼関係を結んでいくか、ということ。これはなかなか一般化できる部分ではないかもしれない。だからこそ、自分なりの答えらしきものを創っていかないといけないのではないだろうか、と思っている。