小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

僕はプロレスに関して言葉で説明できないものは何ひとつない。

僕はプロレスに関して言葉で説明できないものは何ひとつない。(by丸藤正道)

 

 これは、天才・丸藤正道の言葉である。先日、書評として記事にした丸藤正道の本の中に出てきた言葉である。

kyousituchallenge.hatenablog.jp

  この言葉は文章の一部である。せっかくなので、全体の流れがわかるよう引用する。

全日本プロレスは「習うより、慣れろ!」ではなく、しっかりと理屈で教えながら、身体で覚えさせてくれる。無茶な教え方をされた記憶は一切ない。

だから僕はプロレスに関して言葉で説明できないものは何ひとつない。

  この文章を読んだ時「そこまで言い切ることができるのだな」と、素直に驚いた。でも、これこそがプロフェッショナルたる姿のように思えた。

 この文章は、全日本プロレスの教え方のよさを伝える意図で記載されたものであろう。もちろん、そう読めるのであるが、だからと言って全てを言葉で説明できるようになるだろうな、とは思えない。それを丸藤は言い切る。それは、丸藤の努力やセンスなのであろう、と思う。

 技術は理論に支えられている。もちろん、経験からできあがっていく技術だってある。でも、その技術がしっかりしている人ならば理論を説明することができるだろう。そこまでいかないと、技術として会得できたとは言えないのだろう。確かに、試合の場面でいちいち思い出しながら、考えながらなんてできない。だから、体で覚える。でも、そこで終わりではなく説明できるまで昇華する。

 このようなプロセスを経ているのではないだろうか。ここまでしてこそ、できてこそプロフェッショナではないだろうか。そのような凄みを見せつけられているように感じられた。

 「授業で行っていることに関して言葉で説明できないものは何ひとつない」。そこまで言い切れることができるよう、僕は自分が行っていることを意識化できているだろうか。そこまでの域に達するには、意識して動く必要があるだろう。

 あなたは自分が行っていることに関して言葉で説明できるだろうか? そんな大きな問題を丸藤から与えられた。