小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

なってみてわかることがある

 僕の勤務校は新年度の早いうちに「不審者対応避難訓練」を行う。不審者対応では、教職員しかわからないように合図を出す等、けっこう細かな打ち合わせみたいなものがある。だから、新年度の早いうちに実施している。

 そこでは、もちろん不審者役の教員が必要となる。だいたいは担任外の教員が抜擢? されることとなる。

 それが僕のところにやってきた…。担任をしていないのでまわってくるかな、とびくびくしていたのだが、現実となってしまった…。いや~、向いていないのだけどな、と思いながら断れなかった。

 そこは覚悟を決めて臨むこととする。勤務校であるので教室配置や廊下がどこにつながっているかは熟知している。だから、不審者としてはかなり有利な条件となる。自分なりにシミレーションを行った。

 そして、不審者対応訓練を不審者役として終える。

 やってみて思ったことは、頭が真っ白になってしまうことってあるのだな、ということ。僕は予定した中でかなりシミレーションを行い、当日を迎えた。それでも、緊張からか思っていた通りにはできなかったし、やっている最中は無我夢中といった状態であった。

 「事件当時のことを覚えていない」「頭が真っ白になり何をしたのかわからない」というような供述を犯人がしているという報道をたまに見聞きする。それを身をもって実感した。そういうことだってあるのだな、と。

 なってみてわかることがあるのだ、ということを改めて考えた。よいきっかけというのは違うようにも思うが、考えることの多い体験であった。