ひらがなを読むことができない児童がいる。一般的なドリルを用いて学習しても、機械的にひらがなを書くだけになり、学習したことがなかなか定着しなかった。また、ひらがなを読むことができないので、絶えず個別的に指導・支援が必要となっていた。
そこで、五十音順に単語とそのイラストを合わせたものを「Googleスライド」で作成した。それだけでは、ひらがなを読めない児童が学習を進めていくには難しい。よって、スライドには単語を読み上げた音声で付けた。
児童はイラストをヒントにしながら単語を読み、またそれをノートへと書いていくよう指導した。また、読めない単語は音声を聞くようにさせ、読みを自分で確認することができるよう指導した。
このような指導を繰り返し行っていると、児童自身で読みを確認しながら学習を進められるようになった。最近では、学習に慣れてきたので、スライドからイラストだけを消去し、ひらがなの単語の読みと音声だけで学習を進めている。
スライドを使うことで読み上げた音声を付けることができる。このことが児童自身で学習を進めることを後押ししている。そうなると、今まで個別に指導・支援していたのが減ることとなる。つまり、児童の自律につながる。また、他の児童への指導・支援へと時間を割けることとなる。
特別支援学級の指導として、1人1台端末で児童自身が学習を進めていくための教材を用意することは有効であるように感じている。