小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

追いかけて秋

 お買い物したときのちょいとイイ話を思い返してみる・・・。

 一つ思い出すエピソードがあった。それは買い物ではなく、飲食店での話である。

 もしかするとお題から少しそれているようにも思うが、せっかくなので書いてみることにしよう。

 ある秋のとき、僕は友人と居酒屋へ行った。

 割と何度も言ったことのある店であるが、常連とは言えない程度の頻度で行く店であった。もちろん、店員の方と気安く話をする間柄ではない。

 そんな居酒屋で友人と楽しく飲み食いをしていた。そして、〆としてお茶漬けか何かを注文した。しかし、なかなか商品が届かない。

 次の予定(ハシゴ)があったので、数百円だしまあいいかというふうに思い、会計を済ませ店を出た。

 夜道を歩きながら目的地を目指していると誰かが追いかけてくる物音が聞こえてきた。

 少しビクビクしながら歩いていると、僕たちの前に人が出てきた。それは先ほどの居酒屋の店員の方であった。

 〆の商品を提供できなかった分の金額を返却するために追いかけてきてくれたことがわかる。数百円だからいいのだけど、ここまでしていただいて受け取らない選択肢はなく受け取った。

 後からゆっくり考えると、商品は提供はされていないけど作り始めていたのなら、受け取るのは申し訳なかったのではないか、と思った。

 その恩に? 報いるには、これからもお店に通うことだろうと勝手に思っている。コロナ禍で足が遠のいているが、また行きたい店の筆頭である。