小さな教室からの挑戦

小さな教室でのささやかな挑戦を書き綴ります。

書評

算数授業を考えるなら必読!

何度も書いているように、今年度は算数専科をしている。この機会に、自分の算数授業を高めていこう、と決心している。ということで、算数授業に関する書籍を読み漁っている。読み漁っているという程、読めてはないとは思うが(苦笑)。 そんな中で、僕としては…

ミッション・ドリブン

楽しみにしていた一冊が遂に刊行となった。それが、さる先生こと坂本良晶先生の『「学校現場」を大きく変えろ! MISSION DRIVEN』だ。 先日届き、一気読み、そして再読した。ということで、興奮冷めやらぬ内に書評をまとめたいということで、ブログの記事に…

触媒機能としての本

古市憲寿はご存知だろうか? 「とくダネ!」等、多くの番組でコメンテーターの立場として登場している。また、しばしば彼の言動が理由で炎上を起こしているので、知っているかもしれない。 そんな古市の処女作が『絶望の国の幸福な若者たち』である。 絶望の…

「EdTech」という名の黒船

「EdTech」という言葉を聞いたことがあるだろうか? まだまだ教職員全体に浸透していない言葉であるように思う。しかし、知っている人は一定数いる言葉であるとも思う。知らない人もいるだろうが、そのうちこの言葉は教育界の中心に近いところにいるようにな…

チームづくり、はじめの一歩に

以前の書評で『宇宙兄弟「完璧なリーダー」は、もういらない。』を取り上げた。 kyousituchallenge.hatenablog.jp その姉妹本とも呼べるのが、今回紹介する『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいくチームの話』である。タイトルからわかるように、本書のテーマは…

気がつくといつもの場所

中学生、高校生、大学生の自分を思い返してもらいたい。少しお金も持つようになり、また移動できる範囲も広がったのではないだろうか? そして、そんな時どこに食事へ行っていましたか? 思いつくのは、「マクドナルド」「サイゼリヤ」「吉野家」…。 あれ…。…

大ウソつきだとしても

僕が最近、最も注視している教育ライターの一人が堀裕嗣氏である。著者は、札幌市の中学校教員(国語)である。氏は、授業・学級経営・生徒指導等を現場の教員として精力的に発信を行っている。それだけでは、他の教員とあまり変わらない。しかし、氏はそれに…

美しい民主主義

2011年4月から2015年3月まで、朝日新聞に連載された「論壇時評」に加筆して新書化されたものが本書である。 本のタイトルにもなっている「民主主義」を、主な論点としているものの、若者の就活、ヘイトスピーチ、特定秘密保護法、従軍慰安婦、表現の自由等の…

この言葉と共に歩む

自分自身にとって大切な言葉の一つや二つ持っているだろう。僕にももちろんある。その言葉が出てくる一冊を紹介する。今回紹介する本は、本当に思い入れのある本である。 登場人物である、かばくんが一生懸命? いろいろなことに取り組むのだが、なかなか上…

反省させる弊害

「悪いことをした人に反省をさせると犯罪者になる」と、著者の岡本は断言する。もちろん、無根拠にこのようなことを言っているのではない。著者が刑務所において受刑者の更生を支援する過程で考えられたものである。 しかし、にわかには信じられない人も多い…

本当に善いものだろうか?

運動会で定番の競技の一つに「組体操」がある。多くの人が、組体操を体験したことがあるでしょう。この組体操に多くの批判というか懸念が表明されていることを知っているだろうか? けっこう世間にも浸透してきている、と感じている。今や至る所で、組体操を…

ぼんやりしているなー

「みんなの学校」でおなじみの大空小学校、その初代校長である木村泰子先生と「尾木ママ」でおなじみの尾木直樹先生の対談本。 木村先生の考えや大空小学校で実践されていることにとても注目している。なぜなら、僕は教室で「多様性を生む・生かすにはどうし…

文章題も怖くない!

自分自身に課していることがある。それは、一か月に一冊は、算数科についての本を読むということ。今年度は算数専科ということで、この機会に自分なりに算数科を追究していきたい、と考えたからだ。 ということで、最近読んだ本がこちら。樋口万太郎先生の『…

授業を変えるヒント

定期購読をしている「授業づくりネットワーク」の最新号が届いた。すでに読み終わっていたのだが、書評をまとめるというところまで行けていなかった。少し遅くなってしまった感は否めないが、書いてみることにした。ロカルノ先生が、一人読書会をし、感想を…

「べき」論を疑う

今回は、『学校って何だろう―教育の社会学入門』を紹介する。この本は、1997年9月から98年3月まで、『毎日中学生新聞』で連載された文章を基に再構成されたものである。よって、読者対象を中学生とし、書かれたものである。だから、中学生以外が読むには値し…

本が持つ力

本には「力」がある、と思っています。どんな力かと言うと、「読む者の心を揺り動かす力」である。本は、心に響いてくるものであり、心のスイッチを押してくれるものである。 本が心を揺り動かし、心のスイッチを押してくれるという原体験を与えてくれたのが…

夏休みに読みたい本

さて、そろそろどの自治体でも夏休みに入ったのではないだろうか? せっかくの夏休みなのでゆっくりするのはもちろんですが、できたら二学期に向け、一学期の取り組みを振り返り、自分の教育観をバージョンアップさせたい。そのお供になるであろう本をいくつ…

本気に触発される

北海道の堀裕嗣先生の新刊が出版された。刊行予定が告知された時から、とても楽しみにしていた。今回は道徳がテーマ。書名は『堀 裕嗣の道徳授業づくり 道徳授業で「深い学び」を創る』である。また、本のカバーには「子どもたちに伝わる“本気”の道徳授業づ…

共感し、尊敬する

みんな知らないと思うが(というか話をしたことがないだけだが)、僕は「鹿島アントラーズ」のファンである。熱狂的なサポーターというわけではないが、Jリーグの中で、どこか一チーム選ばないといけない状況なら、間違いなく「鹿島アントラーズ」を選ぶ。その…

日米の比較

日本で行われている教育についての情報は、全てではないが入ってくる。しかし、外国の教育の情報はなかなか入ってこない。自分から求めていかないとわからないことが多い。 そんな状況で赤木和重先生の『アメリカの教室に入ってみた』は貴重である。 この本…

責任倫理を持つ!

「ネトウヨ」「ヘイトスピーチ」等、ナショナリズムの興隆について報道されることが近年増えてきている。それに対して、リベラル側に立つ者から懸念や批判がある(リベラル側も「国家」のために考えているのだから「ナショナリズム」には変わらないと思うのだ…

惚れてまうやろー

「女子が男子に読んで欲しい恋愛小説№1」と言われた作品である。また、2013年には松本潤・上野樹里の主演で映画化もされた作品である。 広告会社に勤めている冴えない会社員である奥田浩介が中学生の同級生である渡来真緒にひょんなことから再会を果た…

山ちゃん、おめでとう!

題に書いている「山ちゃん」とは、南海キャンディーズの山里亮太さんのことである。まあ、こんな説明をしなくても、今だったら「山ちゃん」と言えば、山里亮太が連想されるだろう。山里亮太は、今や「世界の山ちゃん」なのである(笑)。 この時だからこそ、山…

「まんがで知るシリーズ」は誠実なつくり

「まんがで知るシリーズ」の続編を遅ればせながら読んだ。今回も一気読み。やはり、リアリティのある題材であり、学校現場のことをよく理解した上で書いてくれているからだろうな。今作も、これを読んで学びが始まるものになっている。 kyousituchallenge.ha…

アイドルって

先日からアイドルをテーマに記事を書いている。せっかくだから? 僕が推している「ももクロ」のことで記事を書いてみよう、と思う。 ももクロはプロレス的である。プロレスの演出や要素をふんだんに取り入れている。それは、チーフマネージャーの川上アキラ…

絆の光と影

恥ずかしながら、初東野圭吾。手が届く距離にいくつも東野圭吾の本があるにもかかわらず、何だか読もうとしていなかった。どうしてかな? と考えてみる。ベストセラー作家の本を読むというのはベタすぎるだろう、という大した理由ではないものである(笑)。 …

主体性という名の呪縛

主体的に物事に取り組む必要がある、ということは今に始まった話ではない。だが、新学習指導要領でも謳われているように、子どもたちの「主体性」を育むということは大切なものである。 では、子どもたちに「主体性を持ち、物事に取り組みましょう!」と話し…

「つながり」のダークサイド

「近年、地域の教育力の低下があると指摘されています——」という、もう今や使い古された感のあるフレーズ。このフレーズは、つまり「近年、地域につながりが失われている」ということを表しているのだと思う。 では、なぜ地域につながりが失われてきたのだろ…

協同学習という考え方

僕は協同学習を教室に持ち込んでいる。例えば、「雪だま転がし」「クイズでチェック」「ジグソー」。技法の詳しい説明は『協同学習でどの子も輝く学級をつくる』 を参照してください。 協同学習でどの子も輝く学級をつくる 作者: 石川晋,佐内信之,阿部隆幸 …

十連休に読みたい本

GWが始まった。いや~、嬉しいですね(笑)。怒涛の4月を終え、一息つきましょう。 でも、いずれまた始まります。それまでに読んでおきたい本を紹介します。どの本も、明日にすぐ役立つという視点で見ると、そうでないものばかりです(もちろん明日すぐに役立…